活動
2017年8月7日
2017年7月7日~9日に行われた第2回領域会議について、若手からのコメントが届きました
「個性」創発脳第二回領域会議に参加して
首都大学東京 都市教養学部 人文・社会系 言語科学教室 学部4年
世戸慎太郎
「個性」創発脳第二回領域会議に参加させていただき、ありがとうございます。新たな学問領域を立ち上げ研究し、そして議論を交わすという貴重な場に学部生という立場ながら参加できたことをうれしく思っています。合宿という形でこのような場に参加させていただくのは初めてでしたので、緊張と高揚感が半分ずつでしたが、異なるバックグラウンドを持つ方々から様々な知識を得ることができ、大変充実した三日間でした。
私はこれから、主に脳波からその人が何を言ったのか、もしくは言おうとしたのかを予測する研究をしていきたいと考えています。現時点では意味のある単語とまったく意味のないただの文字列を言おうとした際にどのような違いがみられ、そしてそれをデコーディングできるのかという段階ですが、将来的には一つ一つの単語や文字レベルでのデコーディングに挑戦していきたいと考えています。それに伴い、やはり同じ「りんご」と単語を発する場合でも、個人ごとに脳波の差が出てくるはずなので、個人レベルでの研究というものを考えていました。そういった点で、「個性」に焦点を当てた今回の会議は興味深いものでした。今回の会議を経て、やはり人間の言語機能にも「個性」というものがあり、それに合わせた研究も必要だと確認させられました。
また、脳波だけで音声を発することのできる機械なども夢見ているのですが、そんな中、今回の会議では宿泊の時に同室させて頂いた九州工業大学の先生方からBrain Machine Interface: BMIについてのお話を伺うことができ、現在の技術でどこまでそれが可能なのか知ることができました。こういったお話を聞けるのもまた、様々な分野の研究者が集まるこの会議のうれしいところだと感じました。
今回の会議では「個性」とは何かという問いが一つのメインテーマとして挙げられていましたが、その問いに対する、研究者の方々の回答は興味深く、さらにそこから自分で考えるというのも楽しかったです。これまで経験したことの中でも、今回の会議は間違いなく最大級の経験だったと感じています。今回の経験を糧に、立派な研究者への道を歩んでいきたいと思っています。
第二回領域会議に参加して
東北大学医学系研究科 医科学専攻 発生発達神経科学分野 修士1年
舘花美沙子
平成29年7月7日から9日にかけての3日間、静岡県御殿場市で第二回領域会議が開催されました。私自身は、領域会議への参加は今回が初めてでしたが、三日間の濃密な時間の中で大きな感銘を受け、また多くの勉強をさせていただきました。
今回は「個性」をどう定義するのか、それぞれの先生の考えをお聞きできて、自分には全く思いつかないような発想ばかりでとても面白かったです。それを受けての夜のセッションも熱く楽しいものでしたが、二日目の夜に鍋島先生がおっしゃっていた言葉が印象的でした。それぞれの定義は違っていてもいいが、そこからいかに新しいことを見出すか。そしてどう証明するのか。私も自分なりに定義を考えていましたが、自分の限られた知識だけで結論づけようとしてしまっていました。研究をするにあたっての大切な基本姿勢に気づくことができたと思います。
また、こういった様々な分野の研究が集まる場において、自分と異なる専門分野の人に分かりやすく要点や魅力を伝える、そのスキルはとても重要であると感じました。自分が普段あまり馴染みのない分野は、発表を聞いても理解が難しいことが多いのですが、今回このように多彩な研究が集まる中で、分野を問わず興味深いと感じる研究が数多くありました。私も、誰がみても面白い研究を、誰が聞いても分かりやすく伝えられるような研究者を目指したいと思います。
富士山をはじめとする豊かな自然に囲まれた、のびのびとした環境の中、専門分野やバックグラウンドの壁を越えて行われる活発なディスカッションに触れることができ、とても刺激的な時間となりました。次回は、私も何かしらここに貢献できるような成果を持って参加することを目標に、日々研究を進めていきたいと思います。会議を運営してくださった先生方、会期中お世話になった皆様、本当にありがとうございました。