活動
2017年11月2日
2017年10月21-22日に第9回 光操作研究会@東北大学2017にて本領域支援シンポジウムが開催されました
2017年10月21-22日に第9回 光操作研究会@東北大学2017(会場:星陵会館)において本領域の支援によるシンポジウムが開催されました。
光で遺伝子の活動を操作する技術、光で細胞機能を亢進/抑制する技術、光を使って細胞機能をライブイメージングする技術。いずれも脳という複雑系を理解し、新学術領域「個性創発脳」の研究課題を発展させる上で、必須の技術であると言えます。そこで、このたび、本領域は、本年度の光操作研究会の開催を支援することに致しました。
第9回 光操作研究会@東北大学2017(期間:2017年10月21-22日、会場:星陵会館)の開催を本領域では支援致しました。本年度の光操作研究会では、東北大学 松井広教授が総オーガナイザーを務め、本領域総括の東北大学 大隅典子教授が、領域担当の招聘講演者の座長等を務めました。本領域を代表して、本領域計画研究代表 京都大学 今吉格教授の研究室の山田真弓特定助教が講演を行うとともに、本領域が支援をした海外招聘講演者として、University of Freiburg の Franziska Schneider 先生、Columbia University の Elizabeth M. C. Hillman 先生にご講演いただきました。
第9回 光操作研究会@東北大学2017 では、全世界から170名の参加者が得られました。シンポジウムでは、学術領域「個性創発脳」の支援講演3件を含め、計15件の講演があり、ポスター発表は 68件に上りました。今年は、国際シンポジウムでしたので、海外講演者4名をお招きし、参加者のご出身は、米国・仏国・独国・瑞国・中国・韓国・日本の計7ヵ国にも及びました。海外/国内招聘講演者には、これまでにない光操作研究の新たな方向性を示していただきました。また、新たな試みとして、若い大学院生による英語口頭発表(招待講演)を5件、設けさせていただきましたが、データおよびプレゼンの質の高さは、驚異的とも言えました。ポスター発表でも、大学院生/若手研究者による招待ポスター発表4件も含め、物理的スペースの限界の68件もの掲示をしましたが、いずれも最先端で学際的内容の発表でした。
研究会オーガナイザー:
松井広(東北大学)
領域担当:
大隅典子(東北大学)
光操作研究会ウェブページ
http://www.ims.med.tohoku.ac.jp/optogenetics2017/
※ なお、下記、本領域支援による海外招聘講演者の講演詳細をご紹介いたしますが、講演要旨に関しては、シンポジウム当日、紙媒体で配布された抄録のみに掲載をし、ネット上には掲載しないお約束をしております。最先端の未発表データをご紹介いただくための取り決めでしたので、何卒、ご了承いただけると幸いです。
講演者:Elizabeth M. C. Hillman
所属:Columbia University
演題:High-speed imaging of whole-brain activity
脳というのは複雑系であるため、たとえ遺伝的背景が同じだとしても、発生・発達の微細な条件の差異次第で、結果として生まれる脳の機能・動作には大きな違いが生まれます。脳ごとに生まれる個性の違いを理解するのには、生きている脳を生きたまま機能イメージングをすることが不可欠であると考えられます。Hillman 先生の最新イメージング技術は、新学術領域「個性創発脳」の研究課題を追究する上でも大いに役立つと考えられます。
関連ウェブサイト
http://orion.bme.columbia.edu/~hillman/Hillman.html
講演者:Franziska Schneider
所属:University of Freiburg
演題:Optogenetic approaches to study heterocellular electronic coupling in the heart
脳と身体臓器とは、末梢神経系と血管系とでつながっており、末梢からの中枢へと向かう働きかけで、脳や心の状態は左右されます。したがって、脳を理解する上でも、他の臓器の関与を考慮するべきであると考えられます。
Schneider 先生の研究は、光遺伝学を駆使して、心臓を構成する様々な細胞種の間の信号のやりとりを解析するものでした。新学術領域「個性創発脳」の研究課題を追究する上でも、脳とは異なる心臓というもうひとつの複雑系での研究は大いに参考になると考えられます。