活動

2020年3月10日

第16回 成体脳ニューロン新生懇談会・「個性」創発脳共催研究会 in 仙台2020活動報告

2020年2月21日(金)から22日(土)にかけて、成体脳ニューロン新生懇談会との共催で「第16回 成体脳ニューロン新生懇談会・「個性」創発脳共催研究会 in 仙台2020」を開催しました。
https://sites.google.com/view/adultneurogenesis2020/

成体脳ニューロン新生懇談会は、成体におけるニューロン新生を研究する国内の研究者同士が、お互いの情報を交換したり、関連の研究分野を勉強したりするために2003年に結成されました(http://adultneurogenesis.org)。

今回、第16回を迎える成体脳ニューロン新生懇談会は約50名の参加に恵まれ、その半数近が新しい参加者でした。基調講演としてハーバード大学のNannan Guo博士を招聘し、その他に11題の口頭発表がなされました。ニューロン新生のメカニズムのみならず、ニューロン新生と病気、脳機能、ストレスとの関連と、トピックは多岐にわたりました。ブレイクの時間帯ならびに夕食前に行われた17件のポスター発表では、大学院生を含む若手研究者との活発な議論が行われ、この分野における次世代の活躍を期待させるものがありました。


大隅教授の開会の挨拶

Guo博士の基調講演

ポスター発表の様子

新型コロナウイルス感染症騒動の真っ只中、開催が危ぶまれる声も聞かれましたが、手洗い・消毒の徹底やマスクを全員に配布するなど、主催者側として感染予防にできる限りの注意を払い、無事に研究会を執り行うことができました。これからも成体脳ニューロン新生懇談会への新規の参加者を募り、会員同士で密に情報交換を行うことにより、ニューロン新生と「個性」創発との関連を明らかにする新たな研究領域が開拓されることを期待します。


集合写真(マスクあり)

集合写真(マスクなし)

プログラム概要

  • 幹事挨拶 大隅 典子 (東北大学 教授)
  • Session 1: Neurogenesis Chair: 中島 欽一 (九州大学 教授)
    “The effect of electroconvulsive seizure on survival, neuronal differentiation, and late maturation in adult mouse hippocampus”
    瀬木(西田)恵里(東京理科大学 准教授)
    “Spatiotemporal regulation of primary cilium in migrating neuroblasts in the adult brain”
    松本 真実(名古屋市立大学 大学院生)
    “Lysosomal regulation of proliferation and quiescence in neural stem cells”
    小林 妙子(京都大学 助教)
  • Session 2: Diseases Chair: 等 誠司(滋賀医科大学 教授)
    “ASD-related de novo POGZ mutation disrupts cortical neuronal differentiation and causes autism-like neural phenotypes”
    中澤 敬信(大阪大学 准教授)
    “Neurogenesis induction therapy normalizes brain structure and functions in Down syndrome mice”
    小林 亜希子(京都大学 助教)
    “iPSC-based disease modeling for late onset neurodegenerative diseases using a chemical compound accelerating senescence”
    志賀 孝宏(順天堂大学 助教)
  • 基調講演Plenary Lecture Chair: 久恒 辰博 (東京大学 准教授)
    “Modulation of hippocampal neural circuit function by postnatal neurogenesis”
    Nannan Guo, Ph.D. (Instructor, Massachusetts General Hospital, Harvard Medical School)
  • Session 3: Brain Function Chair: 澤本 和延 (名古屋市立大学 教授)
    “Diffuse coding of multiple types of information in the dentate gyrus neurons”
    村野 友幸(藤田医科大学 博士研究員)
    “Theta-phase locked neuronal activity is necessary for memory consolidation during sleep”
    坂口 昌徳(筑波大学IIIS 准教授)
    “The role of hippocampal newborn neuron on forgetting and cognitive flexibility”
    李 昊炜(東京大学 研究生)
  • Session 4: Stress Chair: 山口 正洋 (高知大学 教授)
    “Influence of SART stress on hippocampal neurogenesis in mice”
    船上 仁範(近畿大学 講師)
    “Enhancing forgetting of traumatic memory by hippocampal neurogenesis enhancers”
    喜田 聡(東京大学 教授)
  • 閉会挨拶 石 龍徳(東京医科大学 教授)