本領域の全体像

本新学術領域研究では、人文社会系に軸足を置くA01 項目、生物系のA02 項目、理工系のA03 項目の計画研究者ならびに公募研究者が密接に連携することにより、脳神経系発生発達の多様性や介入によるゆらぎを解明し、集団における「個性」成立の法則やその意義を明らかにする。ヒトと動物に共通したモデルを立てることにより、ヒトだけを対象にした従来の研究では扱うことが難しかった集団内の不適応や次世代への継承などの問題に関して、より詳細に取り組むことを可能にする。

上記文章を表した図

本領域では、神経発生や神経新生、乳児の発達脳科学、ビックデータや数理工学解析等の既存の分野を融合させて新たに「個性創発学」分野を形成することにより、広く医学、情報学、教育学、人文学等の周辺学問領域に大きな影響を及ぼす飛躍的な発展が見込まれる。また、国際的なデータシェアリングプラットフォームを構築することにより、この活動を推進する。本新学術領域によって形成されるヴァーチャルな「知の集合体」は、国際社会に大きな貢献を果たすことが期待される。

さらに本研究で「個性」創発の神経基盤や分子メカニズムが明らかになることは、社会における多様な「個性」の科学的理解にも繋がる。「個性」に関する科学的知見は社会において慎重に取り扱われる必要があるため、「個性」に関わる科学情報の発信・利用に伴う倫理的問題を検討し、社会的合意形成のための基盤を提供する。

上記文章「個性」を表した図
研究体制の構成図