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2017年9月20日

ほ乳類神経幹細胞が変化するメカニズムを明らかに~異なる個性を持った細胞が生まれるしくみ~
本成果は、2017年9月19日(火)12時(米国東部標準時(夏時間))に、国際学術雑誌「Cell Reports」のオンライン版に掲載されました。

本新学術領域計画研究代表者である九州大学大学院医学研究院の中島欽一教授および分担研究者の今村拓也准教授らは、同研究院の伊藤隆司教授・三浦史仁講師らとの共同研究により、神経幹細胞の性質が変化するメカニズムを明らかにしました。

神経幹細胞は、脳・神経系を構成する主要な 3 つの細胞(ニューロン・アストロサイト・オリゴデンドロサイト)を全て産み出します。近年、この幹細胞は大人になった脳にも存在し、学習記憶能力や認知機能の維持などに強く関与することが分かってきました。しかし、脳を発達させるために、神経幹細胞が変化するメカニズムの詳細は不明でした。今回、マウスモデルを用いて、脳を発達させるため必須である DNA メチル化と呼ばれる神経幹細胞のゲノム修飾(遺伝子のスイッチ ON・OFF を司るゲノムであるエピゲノム)に着目することで、脳の神経幹細胞が変化する 3 つのステップ(遺伝子スイッチ ON・OFF の移り変わり)を網羅的に明らかにすることに成功しました。

本研究成果は、脳の中で異なる個性を持った細胞が神経幹細胞から生まれるしくみの一端を明らかにしたものであり、これにより、今後の認知機能改善等のための分子標的医療へ向けた飛躍的な発展が期待できます。

本成果は、2017年9月19日(火)12時(米国東部標準時(夏時間))に、国際学術雑誌「Cell Reports」のオンライン版に掲載されました。

(図1)
(図2)