活動

2019年7月17日

本領域公募研究代表者の大川宜昭博士が、獨協医科大学 先端医科学統合研究施設 准教授に就任しました

これまで20年弱!お世話になった富山大学の井ノ口馨教授の下を離れ、7月1日付けで、高校生まで過ごした地元の栃木県にある獨協医科大学の先端医科学統合研究施設 先端医科学研究センターに、認知・記憶研究部門を主宰させていただくことになりました。

元々、獨協医大で統合失調症の基礎研究を続けていた有銘預世布講師と、技術員の石河三貴子さん、鈴木佐知子さんの3人が合流してくれることとなり、幸運にもグループとして研究室をスタートできる環境をいただきました。

これまで私は記憶の本質的な理解を目標として、学習時に活動し記憶を蓄えた細胞(記憶痕跡細胞)を標識・操作できる技術を駆使することで、マウスに人工連合記憶を植え付けることに成功するなど、記憶の質的な変化を導く細胞集団メカニズムの理解に取り組んできました。また最近では、生体Ca2+イメージング法を利用して、日々のエピソード体験の記憶が、どのように脳内で表現され、その後の睡眠中に脳内に定着するのかを可視化することに成功しました。

今後は、これらの私の経験と有銘さんの統合失調症に関する知識を融合して、脳内での認知情報の個性的な表現様式の存在を新しい研究室で明らかにしていきたいと考えています。そしてこの取り組みを、認知症や精神疾患の早期診断や治療思索に貢献できるレベルにまで高めることができればと期待しています。

獨協医大の基礎医学棟前の広い芝生から。
4人のメンバー(右から鈴木さん、有銘さん、石河さん、そして筆者)で研究室のスタートを切りました。