活動
2020年7月15日
公募研究代表者の熊谷 晋一郎が執筆した書籍が出版されました
本領域A01公募研究代表者の熊谷晋一郎が執筆した『当事者研究 等身大の<わたし>の発見と回復』が岩波書店より出版されました。
当事者研究は、2001年に精神障害のある当事者やその支援者によって生み出され、瞬く間に、依存症や発達障害、慢性疼痛など、抱える困難の種類を越境して急速に広がりつつある。しかしこれまでは、専門家による新しい支援法として紹介されることも多く、場合によっては、マジョリティ向けの組織・社会に過剰適応させるべく、マイノリティに過度な内省を迫る方法として誤用される状況すら散見されるようになった。
急速な広がりを見せる中で、当事者研究実践が踏み外してはならない理念と方法を明確にするために、当事者研究が、支援法というより研究であるという点を熟考し、その歴史、理念、理論、方法、具体的事例と、当事者にとっての意義を概観した一冊である。
なお、本書籍の刊行のきっかけとなった第1回市民公開講座「科学者として/当事者として研究すること」における熊谷と領域代表大隅の対談部分の原稿「【対談】科学の言葉がもつ力」を東北大学リポジトリにて公開しています。