若手・技術支援

齧歯類超音波コミュニケーション研究に関する技術支援(星野・菅野支援班)

支援研究説明画

マウスやラットの音声コミュニケーションは超音波でなされており、超音波発声(Ultrasonic Vocalization, USVs)と呼ばれています。母仔間や雌雄間のコミュニケーション研究において、近年注目を集めており、また、自閉症モデルマウスにおける解析も盛んに試みられている現状です。
しかし、解析は実験者による人為的作業(目視によるノイズ軽減作業、音節の分類)によるところが大きく、膨大な時間を要し、さらに、音声の行動学的意義を検証するためには再生実験が必要ですが、精度よく超音波を再生することが困難です。

そこで、A02班・計画研究代表者の星野と、その分担研究者の菅野は、超音波発声の解析に関して、以下の内容の技術支援を行っています。

(1)自動音節抽出システムUSVSEGの提供

小鳥の音声解析システムの開発(例、Tachibana et al., PLOS ONE 2014)に携わってきた橘亮輔博士(東京大学総合文化研究科・助教)が、マウス超音波発声用に新たに開発したMATLABベースのソフトウェア・USVSEGの共有と、使用方法・解析に関する助言を行っています。
こちらの専用ページからダウンロードが可能です。
https://sites.google.com/view/vocalcommuj/resource

(2)超音波スピーカーによる実験

本領域では高精度に超音波を再生することが可能な超音波スピーカー・ncSiエミッター(加藤建築環境研究所)を有しています。星野が所属する国立精神・神経医療研究センターに設置されており、これを用いた共同研究が可能です。

(3)音声データと動画を同期させた解析

超音波の音声データと行動を記録した動画データの時間(タイムスタンプ)を同期させることは困難であるが、このことを可能にした記録システム・SpectoLibellus2D(加藤建築環境研究所)が、菅野が所属する鹿児島大学に設置されています。このシステムと、上記USVSEGを用いた共同研究が可能です。

支援実績

  • A02 岡部先生(公募班)
    「USVSEGを用いたラットUSVsの解析」
  • A02 恒岡先生(公募班)
    「マウス内側視索前野の性行動責任細胞の遺伝学的操作によるUSVsの変化」(計画段階)